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2013年9月27日金曜日

著作権法違反事例

著作権法違反(複製権・譲渡権侵害)


裁判事例


  • 2013年9月9日付長崎地裁判決: 長崎地裁(荒木未佳裁判官)は、作者の許可を得ずに漫画の複製データを販売したなどとして著作権法違反罪に問われた元書籍電子化代行業者(25)に対し、懲役2年、執行猶予3年、罰金50万円(求刑懲役2年、罰金50万円)の判決を言い渡した。   
    • 長崎地裁は判決理由で「(被害を受けた)著作物は多く、刑事責任は軽くないが、代行業を廃業し、被害弁償の申し入れもしている」と述べた。   
    • 被告人は書籍をスキャナーで電子化する、いわゆる「自炊」の代行業者だった。   
    • 起訴状によると、被告人は2012年9~10月、自宅で人気漫画「銀魂」などを電子データにして複製し、2013年1月にデータを保存したDVDを1万円で販売。2012年12月と2013年2月には、漫画「ワンピース」などの電子データを、インターネットで不特定多数の人がダウンロードできる状態にした。   

逮捕事例
  • 2012年5月、人気アニメ「けいおん!」の音楽CDのジャケット画像を無断で複製してステッカーを作製、販売したとして、福岡県警は、3人を著作権法違反(複製権・譲渡権侵害)の疑いで逮捕した。
    • 県警によると、被疑者は、漫画キャラクターを車体に描く「痛車」に貼り付けるためのステッカーを販売。2008年から今年4月まで、少なくとも約4500万円を売り上げていた。県警はほかにも無断複製・販売していた可能性があるとみている。  
    • 逮捕被疑事実は2012年3月5日から同12日までの間、テレビアニメ「けいおん!」の関連音楽CDのジャケット画像3枚を無断で複製し、ステッカーを作製。インターネットのオークションサイトを通じて募った客2人に計1800円で販売し、TBSテレビなどが保有する著作権を侵害した疑い。 
  • 2012年8月、人気アイドルグループAKB48のメンバーの写真付きライターを無断で複製しインターネットのオークションに出品、販売したとして、北海道警札幌・北署は、男(26)を商標法と著作権法違反の疑いで逮捕した。   
    • 逮捕容疑は2011年9月4日ごろと12月23日ごろ、AKB48のメンバーの写真が付いたライター2個を男性(48)らに販売した疑い。自宅からメンバーの写真が付いた携帯電話のケースなど、六百数十点が見つかった。   
    • 北署によると、男は2010年12月ごろからオークションサイトで約300点、約140万円を売り上げていたという。道警のサイバーパトロールで見つかった。
著作権法違反(公衆送信権の侵害)
  • 2012年4月21日、長野県警塩尻署は、インターネットの無料掲示板に音楽ファイル6曲を違法配信したとして、男(39)を著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで逮捕した。   
    • 塩尻署によると「数年前から始め、400曲ぐらい配信した」と供述。配信に使った掲示板には、これまで約60万件のアクセスがあるという。   
    • 被疑事実は2012年2月3日~3月6日、福岡市の業者が運営する掲示板に長渕剛さんや倖田來未さんらの音楽ファイル計6曲を掲載、誰でも携帯電話に無料でダウンロードできる状態にした疑い。   
    • 県警のサイバーパトロールで掲示板を発見し、日本音楽著作権協会(JASRAC)が被害届を出した。
  • 2012年5月31日、ファイル共有ソフト「カボス」を使い、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」をインターネットに違法に配信したとして、兵庫県警サイバー犯罪対策課と灘署は、男(44)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕した。逮捕容疑は2012年4月19日、「ワンピース」の単行本第49巻の約200ページ分の画像ファイルについて、自宅のパソコンでカボスなどを通じ、ネット上で不特定多数が閲覧できる状態にして著作権を侵害した疑い。
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  • 2012年7月、ファイル共有ソフト「WinMX(ウィンエムエックス)」でアイドルグループ「AKB48」のヒット曲などをインターネット上に不正に公開したとして、福岡県警は、男4人を著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で逮捕、別の男1人を書類送検した。   
    • 被疑者の1名については逮捕手続きに不備があったとして逮捕の日の夕方に釈放し、3時間後に同じ容疑で再び逮捕した。裁判所に請求した逮捕状の書類を補充するため、いったん取り下げて再請求した際、その経緯の記入を忘れていたという。刑事訴訟規則は逮捕状再請求の場合、経緯の記入を定めている。   
    • 県警は5人がそれぞれWinMXを使い、計8000曲以上を不正に公開したとみている。   
  • 2012年9月、山口県警は、ファイル共有ソフトを使いインターネット上で不特定多数の人がアニメをダウンロードできる状態にしたとして、A(40)と、B(24)を著作権法違反の疑いで逮捕した。県警は、広田容疑者が違法に公開した動画は600点以上あるとみている。   
    • 県警によると、Aはアニメ作品の発売直後に動画をネット上に公開するため、愛好家の間で「神」と、Bは、動画ファイルを圧縮(エンコード)して公開することから「エンコ職人」と呼ばれる。   
    • Aの被疑事実は2012年9月23日、ファイル共有ソフト「シェア」を使い、アニメ「エウレカセブンAO」の動画データを、ネット上で著作権者の許可なくダウンロードできる状態にした疑い。Bは2012年7月15日、同様の手口でアニメ「マルドゥック・スクランブル圧縮」の動画ファイルを圧縮したデータを、ネット上に公開した疑い。 
  • 2012年10月、栃木県警は、AKB48メンバーの写真を無断で使った抱き枕カバーを販売したとして、男性(31)を著作権法違反の疑いで逮捕した。自宅に約200点のAKB関連商品を所持しており、販売目的とみて調べる。   
    • 被疑事実は2012年4月と8月に、写真家に著作権があるAKB48のメンバーAさんとBさんの写真を使った抱き枕カバー1枚ずつをインターネットオークションで販売した疑い。「小遣い稼ぎだった」と容疑を認めている。   
    • 県警は被疑者が国外で生産された商品を転売したとみて、入手先を調べる。 
  • 2013年1月24日、長野県警は、映画をネット上に無断公開したとして、男性(63)を著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで書類送検した。   
    • 県警によると、男性らはネット上で違法に公開された映画や音楽の情報を交換する「養老会Z」という名前のグループを結成。全国の約300人が加入していた。   
    • こうした大掛かりなグループが表面化するのは珍しく、県警は創設した男性(49)に「解散届」を提出させたという。   
    • 送検事実は2011年10月から2012年4月まで、映画「ミッション・インポッシブル」など3作品をネット上に公開し、不特定多数が入手できるようにした疑い。   
    • 映画や音楽は自分たちが立ち上げたホームページで数日間だけ公開。会員が専用のIDとパスワードを使い、アクセスできるようにしていた。   
    • 長野県警は2012年11月、有料のテレビ番組を無料で見られるようにした不正な「B―CAS(ビーキャス)カード」を作ったとして、長野県と千葉県の男2人を私電磁的記録不正作出の疑いで逮捕。うち1人がグループの会員だったことから、発覚した。 
  • 2013年3月、埼玉県警は、動画共有サイトに米国などの映画を無断で投稿したとして、男(45)を著作権法違反容疑で逮捕した。県警によると、視聴する人がサイトの有料会員になると、投稿者に現金化できるポイントが与えられる仕組み。被疑者は「ポイント目的で投稿した」と供述している。   
    • 被疑事実は、2012年7~8月、動画共有サイトに計3本の映画を投稿し、不特定多数が閲覧できるようにした疑い。「ほかに100本ぐらい投稿した」と話しており、県警は裏付けを進める。 
  • 2013年10月8日、アイドルグループ「AKB48」のメンバーに関する「週刊文春」の記事を発売前にインターネットの画像投稿サイトに無断で掲載したとして、警視庁生活経済課は、男(44)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕した。   
    • 被疑事実は、「週刊文春」2月7日号が報じたAKB48のメンバーに関する記事を携帯電話で接写し、同誌が発売される前日の1月30日に画像投稿サイトに掲載、不特定多数が閲覧できる状態にして著作権を侵害した疑い。
    •  「週刊文春」を発行する文芸春秋が2013年8月、警視庁に告訴していた。

著作権法違反(同一性保持権の侵害)
  • 2012年9月6日、オンラインゲームの海賊版をインターネット上で公開し、著作権を侵害したとして、神奈川県警は、男(23)を著作権法違反の疑いで書類送検した。同ソフトを利用した東京都内の会社員の男2人も書類送検した。   
    • 県警によると、オンラインゲームの海賊版の摘発は全国初。県警は海賊版の公開や利用が著作権の「同一性保持権」の侵害にあたると判断した。   
    • 送検事実は昨年6月、韓国のIT(情報技術)関連会社が著作権を持つオンラインゲーム「タワーオブアイオン」のプログラムを入手、一部を改変した海賊版を作成した上でネット上に公開し、著作権を侵害した疑い。   
    • 県警によると、男はゲームに登場するキャラクターの移動速度を速めるなどプログラムを改変していた。   
    • オンラインゲームは一般的に、利用者が運営会社に接続料を支払って遊ぶ仕組み。男は接続料を徴収しない代わりに、利用者に海賊版の運営費や飲食代など生活費のカンパを要請していた。利用者は最も多い時で3千人以上いたとみられ、ネット上の通貨「ウェブマネー」で寄せられた計280万円相当のうち、160万円を現金化して使ったという。