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2013年9月28日土曜日

デジタルコンテンツ法制

第1期 デジタルコンテンツ法制の幕開け(1996年~)
  • ベルヌ条約(及びTRIPS協定)
  • WIPOインターネット条約
  • 著作権に関する世界知的所有権機関条約(WCT)
  • 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(WPPT)
  • 1997年の著作権法改正
    • 公衆送信権(23条)の創設、送信可能化行為への権利拡大
  •  2002年の著作権法改正
  • 技術的手段に関する法改正: 不正競争防止法、著作権法
  • 権利管理情報の保護: 1999年の著作権法改正
  • 2001年、プロバイダ責任制限法成立
    • インターネットサービスプロバイダ(ISP)、ウェブホスティングを行う者、電子掲示板の管理者
  • 発信者情報開示制度
  • 米国のDigital Millennium Copyright Act (DMCA)


第2期 知的財産立国と司法制度改革(2002年~)
  • コンテンツ振興法(平成16年法第81号)
  • 2004年、信託業法の改正
    • 知的財産信託の解禁
  • 2005年、有限責任事業組合契約に関する法律成立
    • 日本版LLP
  • 民事救済手段の拡充に関する立法
    • 専門委員制度の導入(民事訴訟法92条の2以下)
    • 知財訴訟における専属管轄化(同法6条)及び管轄の拡大(同法6条の2)
    • 裁判の迅速化に関する法律の成立
    • 損害額の推定規定の拡充(著作権法114条1項の追加)
  • 知財高裁の設置
  • 2003年、個人情報保護法の成立

第3期 コンテンツ法制・通信法制のリフォーム(2006年~)
  • 著作権法「平成の大改正」と日本版フェアユース導入の動き
  • 通信と放送の融合
  • 国立国会図書館が主導する情報アーカイブ政策
  • Google Books 訴訟の波紋
  • インターネットにおける青少年保護
  • 侵害対策強化の動きと「三振ルール」
  • 「場の提供者」の責任
     
第4期 2010年~
課題
  • 媒介者の責任と役割
    • Notice and Take Down (NTD)プロセスからブロッキング技術
    • ISPによるブロッキング
    • インターネット接続の制限
  • 青少年有害情報対策
    • モバイルコンテンツとフィルタリング
  • オンライン・プライバシー
    • デジタルコンテンツとライフログ
    • 行動ターゲティング広告の問題
    • 米国の対応
    • EUの対応
      • 電子プライバシー指令の改正
      • 英国における共同規制
  • 通信・放送の融合におけるコンテンツ規制の在り方
    •  AVMS指令

2013年9月27日金曜日

著作権法違反事例

著作権法違反(複製権・譲渡権侵害)


裁判事例


  • 2013年9月9日付長崎地裁判決: 長崎地裁(荒木未佳裁判官)は、作者の許可を得ずに漫画の複製データを販売したなどとして著作権法違反罪に問われた元書籍電子化代行業者(25)に対し、懲役2年、執行猶予3年、罰金50万円(求刑懲役2年、罰金50万円)の判決を言い渡した。   
    • 長崎地裁は判決理由で「(被害を受けた)著作物は多く、刑事責任は軽くないが、代行業を廃業し、被害弁償の申し入れもしている」と述べた。   
    • 被告人は書籍をスキャナーで電子化する、いわゆる「自炊」の代行業者だった。   
    • 起訴状によると、被告人は2012年9~10月、自宅で人気漫画「銀魂」などを電子データにして複製し、2013年1月にデータを保存したDVDを1万円で販売。2012年12月と2013年2月には、漫画「ワンピース」などの電子データを、インターネットで不特定多数の人がダウンロードできる状態にした。   

逮捕事例
  • 2012年5月、人気アニメ「けいおん!」の音楽CDのジャケット画像を無断で複製してステッカーを作製、販売したとして、福岡県警は、3人を著作権法違反(複製権・譲渡権侵害)の疑いで逮捕した。
    • 県警によると、被疑者は、漫画キャラクターを車体に描く「痛車」に貼り付けるためのステッカーを販売。2008年から今年4月まで、少なくとも約4500万円を売り上げていた。県警はほかにも無断複製・販売していた可能性があるとみている。  
    • 逮捕被疑事実は2012年3月5日から同12日までの間、テレビアニメ「けいおん!」の関連音楽CDのジャケット画像3枚を無断で複製し、ステッカーを作製。インターネットのオークションサイトを通じて募った客2人に計1800円で販売し、TBSテレビなどが保有する著作権を侵害した疑い。 
  • 2012年8月、人気アイドルグループAKB48のメンバーの写真付きライターを無断で複製しインターネットのオークションに出品、販売したとして、北海道警札幌・北署は、男(26)を商標法と著作権法違反の疑いで逮捕した。   
    • 逮捕容疑は2011年9月4日ごろと12月23日ごろ、AKB48のメンバーの写真が付いたライター2個を男性(48)らに販売した疑い。自宅からメンバーの写真が付いた携帯電話のケースなど、六百数十点が見つかった。   
    • 北署によると、男は2010年12月ごろからオークションサイトで約300点、約140万円を売り上げていたという。道警のサイバーパトロールで見つかった。
著作権法違反(公衆送信権の侵害)
  • 2012年4月21日、長野県警塩尻署は、インターネットの無料掲示板に音楽ファイル6曲を違法配信したとして、男(39)を著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで逮捕した。   
    • 塩尻署によると「数年前から始め、400曲ぐらい配信した」と供述。配信に使った掲示板には、これまで約60万件のアクセスがあるという。   
    • 被疑事実は2012年2月3日~3月6日、福岡市の業者が運営する掲示板に長渕剛さんや倖田來未さんらの音楽ファイル計6曲を掲載、誰でも携帯電話に無料でダウンロードできる状態にした疑い。   
    • 県警のサイバーパトロールで掲示板を発見し、日本音楽著作権協会(JASRAC)が被害届を出した。
  • 2012年5月31日、ファイル共有ソフト「カボス」を使い、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」をインターネットに違法に配信したとして、兵庫県警サイバー犯罪対策課と灘署は、男(44)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕した。逮捕容疑は2012年4月19日、「ワンピース」の単行本第49巻の約200ページ分の画像ファイルについて、自宅のパソコンでカボスなどを通じ、ネット上で不特定多数が閲覧できる状態にして著作権を侵害した疑い。
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  • 2012年7月、ファイル共有ソフト「WinMX(ウィンエムエックス)」でアイドルグループ「AKB48」のヒット曲などをインターネット上に不正に公開したとして、福岡県警は、男4人を著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で逮捕、別の男1人を書類送検した。   
    • 被疑者の1名については逮捕手続きに不備があったとして逮捕の日の夕方に釈放し、3時間後に同じ容疑で再び逮捕した。裁判所に請求した逮捕状の書類を補充するため、いったん取り下げて再請求した際、その経緯の記入を忘れていたという。刑事訴訟規則は逮捕状再請求の場合、経緯の記入を定めている。   
    • 県警は5人がそれぞれWinMXを使い、計8000曲以上を不正に公開したとみている。   
  • 2012年9月、山口県警は、ファイル共有ソフトを使いインターネット上で不特定多数の人がアニメをダウンロードできる状態にしたとして、A(40)と、B(24)を著作権法違反の疑いで逮捕した。県警は、広田容疑者が違法に公開した動画は600点以上あるとみている。   
    • 県警によると、Aはアニメ作品の発売直後に動画をネット上に公開するため、愛好家の間で「神」と、Bは、動画ファイルを圧縮(エンコード)して公開することから「エンコ職人」と呼ばれる。   
    • Aの被疑事実は2012年9月23日、ファイル共有ソフト「シェア」を使い、アニメ「エウレカセブンAO」の動画データを、ネット上で著作権者の許可なくダウンロードできる状態にした疑い。Bは2012年7月15日、同様の手口でアニメ「マルドゥック・スクランブル圧縮」の動画ファイルを圧縮したデータを、ネット上に公開した疑い。 
  • 2012年10月、栃木県警は、AKB48メンバーの写真を無断で使った抱き枕カバーを販売したとして、男性(31)を著作権法違反の疑いで逮捕した。自宅に約200点のAKB関連商品を所持しており、販売目的とみて調べる。   
    • 被疑事実は2012年4月と8月に、写真家に著作権があるAKB48のメンバーAさんとBさんの写真を使った抱き枕カバー1枚ずつをインターネットオークションで販売した疑い。「小遣い稼ぎだった」と容疑を認めている。   
    • 県警は被疑者が国外で生産された商品を転売したとみて、入手先を調べる。 
  • 2013年1月24日、長野県警は、映画をネット上に無断公開したとして、男性(63)を著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで書類送検した。   
    • 県警によると、男性らはネット上で違法に公開された映画や音楽の情報を交換する「養老会Z」という名前のグループを結成。全国の約300人が加入していた。   
    • こうした大掛かりなグループが表面化するのは珍しく、県警は創設した男性(49)に「解散届」を提出させたという。   
    • 送検事実は2011年10月から2012年4月まで、映画「ミッション・インポッシブル」など3作品をネット上に公開し、不特定多数が入手できるようにした疑い。   
    • 映画や音楽は自分たちが立ち上げたホームページで数日間だけ公開。会員が専用のIDとパスワードを使い、アクセスできるようにしていた。   
    • 長野県警は2012年11月、有料のテレビ番組を無料で見られるようにした不正な「B―CAS(ビーキャス)カード」を作ったとして、長野県と千葉県の男2人を私電磁的記録不正作出の疑いで逮捕。うち1人がグループの会員だったことから、発覚した。 
  • 2013年3月、埼玉県警は、動画共有サイトに米国などの映画を無断で投稿したとして、男(45)を著作権法違反容疑で逮捕した。県警によると、視聴する人がサイトの有料会員になると、投稿者に現金化できるポイントが与えられる仕組み。被疑者は「ポイント目的で投稿した」と供述している。   
    • 被疑事実は、2012年7~8月、動画共有サイトに計3本の映画を投稿し、不特定多数が閲覧できるようにした疑い。「ほかに100本ぐらい投稿した」と話しており、県警は裏付けを進める。 
  • 2013年10月8日、アイドルグループ「AKB48」のメンバーに関する「週刊文春」の記事を発売前にインターネットの画像投稿サイトに無断で掲載したとして、警視庁生活経済課は、男(44)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕した。   
    • 被疑事実は、「週刊文春」2月7日号が報じたAKB48のメンバーに関する記事を携帯電話で接写し、同誌が発売される前日の1月30日に画像投稿サイトに掲載、不特定多数が閲覧できる状態にして著作権を侵害した疑い。
    •  「週刊文春」を発行する文芸春秋が2013年8月、警視庁に告訴していた。

著作権法違反(同一性保持権の侵害)
  • 2012年9月6日、オンラインゲームの海賊版をインターネット上で公開し、著作権を侵害したとして、神奈川県警は、男(23)を著作権法違反の疑いで書類送検した。同ソフトを利用した東京都内の会社員の男2人も書類送検した。   
    • 県警によると、オンラインゲームの海賊版の摘発は全国初。県警は海賊版の公開や利用が著作権の「同一性保持権」の侵害にあたると判断した。   
    • 送検事実は昨年6月、韓国のIT(情報技術)関連会社が著作権を持つオンラインゲーム「タワーオブアイオン」のプログラムを入手、一部を改変した海賊版を作成した上でネット上に公開し、著作権を侵害した疑い。   
    • 県警によると、男はゲームに登場するキャラクターの移動速度を速めるなどプログラムを改変していた。   
    • オンラインゲームは一般的に、利用者が運営会社に接続料を支払って遊ぶ仕組み。男は接続料を徴収しない代わりに、利用者に海賊版の運営費や飲食代など生活費のカンパを要請していた。利用者は最も多い時で3千人以上いたとみられ、ネット上の通貨「ウェブマネー」で寄せられた計280万円相当のうち、160万円を現金化して使ったという。

2013年9月25日水曜日

ネットの業界団体設立

2013年9月25日、グーグル日本法人(東京・港)やヤフーなどインターネット関連企業7社は、政策提言を行う業界団体「アジアインターネット日本連盟(AICJ)」を設立したと発表しました。ネットにおける知的財産やプライバシー保護などに関する提言を公表しました。

  AICJの幹事会のトップはグーグル日本法人が務め、米フェイスブック、米イーベイ、アマゾンジャパン(東京・目黒)などが参加します。

  知的財産に関しては消費者の利便性とのバランスに配慮したデジタル著作権法制度の構築などを求める提言をまとめました。今後も適宜、政策提言をまとめる方針です。

2013年9月16日月曜日

知的財産の関係法規

(1)特許法
(2)実用新案法
(3)意匠法
(4)商標法
(5)不正競争防止法
(6)独占禁止法
(7)著作権法
(8)種苗法
 (9)パリ条約
(10)特許協力条約
(11)その他の知的財産関係条約(マドリッド協定、ヘーグ協定等)
(12)弁理士法

2013年9月15日日曜日

不法行為訴訟に関する国際裁判管轄と準拠法

不法行為に関する訴えに関する国際裁判管轄
不法行為に関する訴えに関する国際裁判管轄については不法行為地国に管轄がある(民事訴訟法5条9号参照)(大塚・237頁)。

(根拠)
  • 不法行為に関する証拠方法は通常不法行為地に集中しており、裁判の適正・迅速が期待できる。
  • 提訴可能な管轄の範囲を広げることは被害者にとって利益となる。
  • 不法行為地に被害者が居住する場合には被害者の救済に資する。
  • 加害者にその地での応訴を加害者に期待しても不当な要求とまではいえない。


「不法行為地」
「不法行為地」には、不法行為の原因となる行為がなされた地(行動地や加害行為地)だけでなく、結果(損害)発生地も含まれると解されている(大塚・237頁)。

「不法行為」の意味
わが国の国際民事訴訟法の立場から独自に決定すべきである(大塚・238頁)。知的財産権・物権・人格権などの侵害ももちろん不法行為と解される。
※ 債務不履行に基づく損害賠償請求についても不法行為地管轄が認められるかについては、肯定・否定の両説がある。

管轄原因事実の証明の必要性及びその程度
一応の証明説(判例、多数説)。一般に国内事件に比べて被告の応訴の負担が重い渉外事件では、 管轄原因事実についても、原告の主張のみではなく、一応の立証を必要とする(大塚239頁)。
被告が日本国においてした行為により原告の法益について損害が生じたとの客観的な事実関係が証明されれば足りる(大塚239頁)。

準拠法
通則法17条は、不法行為に関する原則的連結政策としては、基本的に、不法行為は「結果発生地法」によるとするが、これに加えて、その地での結果発生が通常予見できない場合には行動地法によるとして、加害者側の予見可能性を考慮する。

「結果発生地」
法益侵害の結果が現実に発生した地のことであり、侵害された権利が侵害発生時に所在した地である。

法17条の適用範囲
不法行為の成立に関する問題及び不法行為の効力に関する問題は、不法行為地の準拠法による(大塚244頁)。

2013年9月14日土曜日

著作権の要点

著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであり、いわゆる文化の範囲に属し、著作権法において例示されている。また、二次的著作物、編集著作物、データベースの著作物などの著作物がある。

著作物を創作した者が著作者である。複数人で分離して利用できない著作物を創作した場合は、共同著作となる。また、会社の発意により職務上作成し、会社の名義で発案された著作物は、職務著作となり、会社が著作者となる。

著作者に発生する権利には大きく分けて著作者人格権と著作(財産)権があり、著作者人格権は、公表権、氏名表示権、同一性保持権という3つの権利の総称である。

著作(財産)権には、主に複製権、上映権、公衆送信権、頒布権、譲渡権、貸与権などがある。著作(財産)権は、著作物が創作された時に発生し、原則として著作者の死後50年で消滅する。

著作権者の権利が制限される場合として、私的使用の目的のための複製、引用、学校の授業内で使用するための複製、非営利・無料・無報酬の演奏、美術や写真の原作品の展示、プログラムのバックアップコピーなどが挙げられる。

著作隣接権が認められるのは、実演家、レコード製作者、有線・無線の放送事業者。実演家のみ、人格権が与えられる。

著作権侵害とは、他人の著作物に依拠して、無断で同じ物又は似たような物を作る行為である。著作(財産)権の移転があったとき、登録しておけば第三者に対抗できる。



2013年9月12日木曜日

インターネットにおけるルール&マナー

件名のないメール:  件名のないメールは不特定多数に送られる迷惑メールと思われ読まれずに削除されてしまう可能性があります。また、受信者側の電子メールソフトなどの設定によって、ウィルスメールや迷惑メールとして自動的に削除されることもあります。 もっとも、サーバでエラーメールとなって相手に届かないということはありません。

個人情報保護法: 個人情報保護上、報告徴収を受けた個人情報取扱事業者が、報告を怠ったり、虚偽の報告を行ったときは、処罰の対象になります。これら違反行為を行った担当者と、個人情報取扱事業者である企業などの双方が処罰の対象となります。
 なお、主務大臣は、この法律に違反した個人情報取扱事業者に対して勧告を行い、勧告に従わなかった場合には、主務大臣による命令の対象となりますが、勧告に従わないというだけで、この法律によって処罰を受けることはありません。

コンプライアンス:  「家内労働法」と「労働基準法」は、いずれも企業活動と関係が深いです。

ドメイン名: すでに登録されている商標に類似した名称をドメイン名として勝手に登録すると、商標権の侵害となる場合があります。また、商標登録されていない商品名や企業名をドメイン登録して使用した場合でも、不正競争防止法違反とみなされる場合があるので注意が必要です。  
 不正競争防止法とは、事業者間の公正な競争を確保するための法律です。他人の商品名や企業名などを不当に流用したり、営業秘密を盗み出して不当に利用したりすることや、各種コンテンツの不正コピーの販売等を防止することを目的としています。 たとえば、商品や販売元などを混同させるような行為、知名度の高い他人の表示を不正に使用する行為、他人の商品の形態をそっくり模倣する行為等がこれにあたります。  
(注)平成13(2001)年6 月29 日、「不正競争防止法」の一部が改正され、他人の商品等の表示と類似するドメイン名を転売目的等で不正に取得する行為が不正競争の類型として規定されました。そして、使用料相当額を損害賠償請求できることとなりました。また現在、JP ドメイン名については、日本知的財産仲裁センターにドメイン名の登録取消しや移転の裁定を求めることもできます。
 なお、株式会社 日本レジストリサービス(JPRS)とは、日本に割り当てられたドメイン名「.jp」のレジストリ業務(登録管理、JPドメインのDNSの運用)を行う企業で、JPRSがドメイン名の認証を行うことはありません。

災害時の安否確認: 自然災害や人為災害の発生時に、事業継続の可否を判断したり、また継続可能な場合に提供サービスの迅速な復旧を図ったりするために、企業は社員の安否を確認しなければなりません。とくに災害時であっても決してサービスを停止してはならない、いわゆる「重要インフラ」事業者においては「災害時の社員の安否確認」は絶対に欠くことはできません。その一方で企業は社員とその家族を守る立場であるという社会的責任として自社の社員および社員の家族の安否を確認することも必要とされています。そこで社員は災害発生時にはあらかじめ会社で定められた手順にしたがって会社に本人と家族の安否を報告することを忘れてはなりません。もちろん可能であれば、現在の所在地やおかれている状態も報告すべきですが、まず必要最低限の情報としては「安否」となります。

電子証明書(サーバ証明書): 電子商取引などにおける安全性を確保するために、商業認証局が発行し、ウェブサイトのサーバに備えられる電子証明書(サーバ証明書)の用途や付随するサービスは、「電子証明書に格納されている公開鍵の所有者であることを証明する」、「ウェブサイトの運営者が実在することを証明する」、「クレジットカード番号などをブラウザから送信する際の暗号化通信に利用する」の3つです。 ウェブサイトが不正行為を行わないことを証明するような監査は、電子証明書を発行する認証局では行っていません。

コンテンツフィルタリング: コンテンツフィルタリングは、閲覧できるウェブサイトを制限する仕組みのことです。たとえば企業のパソコンで業務中に仕事と無関係なウェブサイトへのアクセスを制限したり、暴力やポルノなど、子どもにとって有害な情報が掲載されているウェブページを学校のパソコンで表示できなくしたりするために利用されます。  
 コンテンツをフィルタリングする仕組みとして、「ホワイトリスト方式」と「ブラックリスト方式」があります。「ホワイトリスト」とは、閲覧者にとって安全な内容のウェブサイトのリストのことで、このリストに載っているサイトだけ閲覧できるようにするのが「ホワイトリスト方式」です。「ブラックリスト」とは有害な情報が含まれているウェブサイトのリストのことで、このリストに載っているサイトを閲覧できなくするのが「ブラックリスト方式」です。

2013年9月11日水曜日

情報セキュリティと法令順守

不正アクセス禁止法

プロバイダ責任制限法

支払用カード等電磁的記録不正作出罪

電磁的記録不正作出及び併用

電子計算機損壊等業務妨害

電子計算機使用詐欺罪

不正競争防止法関連


e-文書法関連
電子署名、認証関連

迷惑メール関連 

2013年9月10日火曜日

個人情報保護法の調べ方

 個人情報保護士会 2011年2月の設立された一般財団法人。主に、「個人情報保護士」資格取得者である個人会員と、個人情報保護士資格者が所属している企業及び団体で構成されている。

2013年9月9日月曜日

個人情報に関連する規格と制度

JIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステム ― 要求事項)

事業者が業務上取り扱う個人情報を安全で適切に管理するための標準となるべく、財団法人日本規格協会の原案によって策定された日本工業規格の一つ。

個人情報事業の用に供している、あらゆる種類、規模の事業者に適用できる個人情報保護マネジメントシステムに関する要求事項について規定する日本工業規格である。

この規格では、
  • 事業者が保有する個人情報を把握し、取得や利用に先立ち個人情報の指す本人から同意を得ること、
  • 事業者が個人情報保護指針、個人情報保護のための組織を設けること、
  • その体制を定期的に見直し改善すること、そして
  • これらを実践するためのシステム(個人情報保護マネジメントシステム)をもつこと
などを求めている。

1999年に海外での先例にならって作られた管理システムであり、個人情報保護に関する同様の理念は2005年から全面施行された個人情報保護法でも見ることができる。日本独自の規格であり国際的な整合性は特に考慮されていない。

JIS Q 15001の要求事項を読み解く上では、要求事項ごとに、個人情報保護法と同じ概念か、個人情報保護法に上乗せした概念か、個人情報保護法には全く記載のない概念かを区別しながら眺めることが重要である。

個人情報保護法の全面施行から1年余りを経た2006年5月20日に、当時の実態を踏まえて、同法で導入された概念・用語を盛り込んだ改定が行われた。用語は個人情報保護法の用語に統一された。


プライバシーマーク制度

日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」(国内基準。ただし、韓国・中国と相互承認あり。)に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を認定して、その旨を示すプライバシーマークを付与し、事業活動に関してプライバシーマークの使用を認める制度。

プライバシーマーク制度の目的は、事業者に社会的な信用を得るためのインセンティブを与えることだけでなく消費者の個人情報の保護に関する意識の向上を図ることにもある。

付与されたプライバシーマークの有効期間は2年であり、取得をは2年ごとの更新の手続きが必要である。

プライバシーマーク付与の対象は、国内に活動拠点を持つ事業者。また、プライバシーマーク付与は、法人単位。 

事業者自身による申請書での宣誓と、現地審査時に確認。

ISMS適合性評価制度

情報セキュリティの個別の問題毎の技術対策の他に、組織のマネジメントとして、自らのリスクアセスメントにより必要なセキュリティレベルを決め、プランを持ち、資源配分して、システムを運用するもの。

適合性評価基準は、「JIS Q 27001:2006 情報技術-セキュリティ技術-情報セキュリティマネジメントシステム - 要求事項」(国際基準に準拠)である。  2005年10月にISMS認 証 基 準として国 際 規 格ISO/IEC 27001:2005が発行され、これにより国内規格JIS Q 27001:2006が発行されたため、ISMS認証基準をJIS Q 27001:2006とし、これに基づく認証を開始した。


参考 

JIS Q 15001 - ウィキペディア

プライバシーマーク事務局

ISMS適合性評価制度 - 情報マネジメントシステム推進センター

 


2013年9月8日日曜日

個人情報、個人データ、保有個人データの定義  

個人情報保護法では、個人に関する情報について「個人情報」、「個人データ」、「保有個人データ」がそれぞれ区別されている。分類に応じて階層的に義務が規定されている。

「個人情報」

「個人情報」という括りが最も広い範囲を示し、個人情報保護法の中では、 「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)」(第2条第1項) と規定されている。

また経済産業省のガイドラインでは 「氏名、性別、生年月日等個人を識別する情報に限られず、個人の身体、財産、職種、肩書等の属性に関して、事実、判断、評価を表すすべての情報であり、評価情報、公刊物等によって公にされている情報や、映像、音声による情報も含まれ、暗号化されているかどうかを問わない。なお、死者に関する情報が、同時に、遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、当該生存する個人に関する情報となる。

また、「生存する個人」には日本国民に限られず、外国人も含まれるが、法人その他の団体は「個人」に該当しないため、法人等の団体そのものに関する情報は含まれない(ただし、役員、従業員等に関する情報は個人情報)。」 と説明されている。  

「個人データ」

「個人情報データベース等」について、個人情報保護法では、

「個人情報を含む情報の集合物であって、 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの 前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの(第2条第2項)

 と規定されている。

経済産業省のガイドラインには具体的な事例として次のような内容が紹介されている。

個人情報データベース等に該当する事例
事例1 電子メールソフトに保管されているメールアドレス帳(メールアドレスと氏名を組み合わせた情報を入力している場合)
事例2 ユーザーIDとユーザーが利用した取引についてのログ情報が保管されている電子ファイル(ユーザーIDを個人情報と関連付けて管理している場合)
事例3 従業員が、名刺の情報を業務用PC(所有者は問わない)の表計算ソフト等を用いて入力・整理し、他の従業員等によっても検索できる状態にしている場合
事例4 人材派遣会社が登録カードを、氏名の五十音順に整理し、五十音順のインデックスを付してファイルしている場合
事例5 氏名、住所、企業別に分類整理されている市販の人名録

個人情報データベース等に該当しない事例 

事例1 社員が、自己の名刺入れについて他人が自由に検索できる状況に置いていても、他人には容易にわからない独自の分類方法により名刺を分類した状態である場合
事例2 アンケートの戻りはがきで、氏名、住所等で分類整理されていない状態である場合


「個人データ」について、個人情報保護法の中では、 「この法律において「個人データ」とは、個人情報データベース等を構成する個人情報をいう」(第2条第4項) と規定されている。

つまり、個人データは個人情報に含まれるものであり、個人データが何らかの形で整理されて検索可能な状態になっているものが個人情報データベース等となる。

また、個人情報データベース等からのバックアップ用の個人情報や出力された帳票等に印字された個人情報なども個人データとなる。

なお、個人情報データベース等を構成する前の入力帳票に記載されている未整理の個人情報は個人データには含まれない。

「保有個人データ」

「保有個人データ」について、個人情報保護法の中では、
 「この法律において「保有個人データ」とは、個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データであって、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの又は1年以内の政令で定める期間以内に消去することとなるもの以外のものをいう。」(第2条第5項) と規定されている。

つまり、個人情報取扱事業者が保有しており、その事業者の権限で開示、訂正、追加、削除などができる個人データは「保有個人データ」に該当する。

また、政令第3条及び4条の中で、

政令第3条 「法第2条第5項の政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
  1. 当該個人データの存否が明らかになることにより、本人又は第三者の生命、身体又は財産に危害が及ぶおそれがあるもの 
  2. 当該個人データの存否が明らかになることにより、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがあるもの 
  3. 当該個人データの存否が明らかになることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあるもの 
  4. 当該個人データの存否が明らかになることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が及ぶおそれがあるもの」 

政令第4条 「法第2条第5項の政令で定める期間は、6月とする。」

と「保有個人データ」でないものを定めている。

保有個人データは、開示等によって公益やその他の利益が害されるものと、6ヶ月以内に消去することとなるものは対象から除かれる。

例えば、以下の事例はいずれも「保有個人データ」ではないと認められるため、本人からの開示請求に対して拒否することも認められている。

 「保有個人データ」ではないと認められる事例 

事例1 家庭内暴力、児童虐待の被害者の支援団体が、加害者(配偶者又は親権者)及び被害者(配偶者又は子)を本人とする個人データを持っている場合を入力している場合
事例2 いわゆる総会屋等による不当要求被害を防止するため、事業者が総会屋等を本人とする個人データを持っている場合
事例3 いわゆる不審者、悪質なクレーマー等からの不当要求被害を防止するため、当該行為を繰り返す者を本人とする個人データを保有している場合
事例4 製造業者、情報サービス業者等が、防衛に関連する兵器・設備・機器・ソフトウェア等の設計、開発担当者名が記録された個人データを保有している場合
事例5 要人の訪問先やその警備会社が、当該要人を本人とする行動予定や記録等を保有している場合
事例6 警察からの捜査関係事項照会や捜査差押令状の対象となった事業者がその対応の過程で捜査対象者又は被疑者を本人とする個人データを保有している場合
事例7 犯罪収益との関係が疑わしい取引の届出の対象情報

2013年9月7日土曜日

個人情報取扱事業者とは

個人情報保護法では、
「この法律において個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
  1. 国の機関 
  2. 地方公共団体 
  3. 独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。) 
  4. その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者(第2条第3項)」
 と規定されている。  

なお、ここでいう「事業」とは、一定の目的を持って反復継続して遂行される同種の行為であり、営利事業のみを対象とせず、法人格のない任意団体や個人であっても個人情報取扱事業者に該当し得る。

あわせて「個人情報の保護に関する法律施行令」の政令第2条において、「政令で定める者」について 「法第2条第3項第5号の政令で定める者は、その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の合計が過去6月以内のいずれの日においても5000を超えない者とする。」 と具体的な数値と共に定義されている。

よって個人情報データベース等を構成する個人情報の数が過去6ヶ月において5000件を一度も越えていない場合には個人情報取扱事業者とは見なされない。

ただし、対外的には個人情報取扱事業者であるかを示したり、それによって判断されたりすることはないので、個人情報取扱事業者にあたるかどうかに関係なく、法の義務やガイドラインで示されていることは対応すべきである。  

また、「特定の個人の数」について、個人情報データベース等が以下の3つの要件のすべてに該当する場合は、上記の「特定の個人の数」には加算されない。

  1. 個人情報データベース等の全部又は一部が他人の作成によるものである。 
  2. その個人情報データベース等を構成する個人情報として氏名、住所(居所を含み、地図上又はコンピュータの映像面上において住所又は居所の所在場所を示す表示を含む)又は電話番号を含んでいる。
  3.  氏名又は住所から検索できるように体系的に構成された、市販の住所地図上の氏名及び住所又は居所の所在場所を示す情報  
簡単に言い換えれば、例えば電話帳やカーナビゲーションに含まれる氏名や電話番号や住所などの個人データの件数は「特定の個人の数」に含まなくても良いということである。

2013年9月6日金曜日

個人情報保護法とは

個人情報保護法(「個人情報の保護に関する法律」、2003年5月制定)が2005年4月1日より全面施行されている。これにより公的機関に加え、民間事業者についても個人情報の取り扱いに関するルールが定められ、個人情報の適正な取り扱いが義務付けられることになった。

 この法律は、OECD(経済協力開発機構)により1980年に制定されたOECD8原則(「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドラインに関する理事会勧告(OECDガイドライン)」)に対応した内容で構成されている。

※ OECDガイドラインは個人情報保護に関する国際的な基本ルールであり、OECD加盟国は各国内でこのガイドラインの内容を準拠するよう要請されている。このガイドラインの中で、個人情報保護に対して8つの原則が明記されており、これをOECD8原則と呼んでいる。OECD8原則は、各国の個人情報保護法制の基本となっている。



個人情報保護法の構成

全体の構成は第1章~第6章と附則で構成されている。

第1章から第3章は公的・民間を含めた国全体の基本法、第4章から第6章は民間部門における個人情報 保護の一般法がそれぞれ定められている。基本法部分は、公布と同時に施行された。一般法部分は、公布から約2年後に施行された。

また、この法律に基づき、関連各省庁からは事業分野毎にガイドラインが制定されており、事業者は法律とあわせて遵守しなければならない。

基本方針とガイドライン

事業全般については、経済産業省(METI)のガイドライン「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」がかかる(個人情報ガイドラインについて - 経済産業)。


法の目的と基本理念

 「個人情報保護法」という言葉から「保護すること」だけが目的のようにイメージしてしまいがちだが、実際には、
  • 個人情報とは何かを理解し、利用目的を明確にした上でその範囲の中で正しく利用すること、
  • 当初の目的以外の理由で個人情報を利用する場合には本人の同意を得てから利用すること、
  • 個人情報を第三者へ提供する場合には原則として本人の同意を得てから行うこと、
  • 個人情報の漏えいを防ぐなどの安全管理措置が正しく行われていること、
  • 本人からの要請があっ た場合にその本人の個人情報開示要求に応じなければならないこと、
など個人情報の利用と保護の両面から構成されている法律である。


2013年9月4日水曜日

海外の著作権についての詳細の調べ方

欧州連合加盟国については、欧州委員会のウェブサイトに有用な情報とリンクが掲載されています。
世界知的所有権機関(WIPO)には、各国の知的所有権と著作権局のリストがあり、各国で適用される著作権について調べることができます。
電子フロンティア財団では、世界各国の著作権法のデータベースを提供しています。

個人情報保護法の制定

個人情報保護法の制定以前、個人情報の保護に関して、1988年に制定された、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律が存在しました。

日本の個人情報保護法は、OBCD8原則の採択後の、2003年に制定されました。個人情報保護法は、OECDに加盟するほとんどの国で民間部門を対象とした個人情報保護法制の整備が進められたことを背景として制定されました。OECDとは経済協力開発機構のことです。

EU指令は、1995年にEUにおいて出されたもので、加盟国に対し、3年以内に同指令を重視するために必要な国内法を整備することを求めました。

個人情報の流出事故を事件が多発したことにより、それらを未然に防ぐ法律の整備が急がれました。個人情報保護法は、国際的な情報流通の拡大 ・IT化を背景として制定されました。その内容としては、OECD加盟国のほとんどで民間部門を対象にした法制が整備されたことや、日本の公的部門における電子政府・電子自治体の構築、民間部門における顧客サービスの高度化・電子商取引の進展が挙げられます。また、プライバシーに当の個人の権利利益を侵害の危険性や不安感が増大したことも挙げられます。

2001年3月に国会に提出されましたが、不当なメディア規制につながるものとして、マスコミ等から自らが行う個人情報の取り扱いを法律の対象から全面的に除外すべき等の強い反発を受け、2002年12月にいったん廃案となりました。2003年に成立したのは、この法案が修正されて再度提出されたものです。

市民団体が目的規定に自己情報コントロール権を明記することを求める意見書を提出しました。
個人情報保護法は、2003年に公布と同時に基本法にあたる第1章から第3章が施行されましたが、個人情報取扱い事業者の義務部分である第4章は2005年に施行されました。

個人情報保護法施行後想定以上に過剰反応も起こったため、その対応が検討されましたが、基本方針の一部変更(2008年4月)や、各ガイドラインでの説明強化にとどまり、法改正には至っていません。個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドラインは、世情を反映し、すでに複数回を改正されています。

個人情報保護法は、その所管が内閣府から、2009年9月に発足した消費者庁に移管されました。

2013年9月3日火曜日

クリエイティブ・コモンズ

クリエイティブ・コモンズとは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称です。

クリエイティブ・コモンズ ライセンスは、コンテンツ作成者が誰かにその作品を使用する許可を与えるための標準的な方法の 1 つです。

CCライセンスはインターネット時代のための新しい著作権ルールの普及を目指し、様々な作品の作者が自ら「この条件を守れば私の作品を自由に使って良いですよ」という意思表示をするためのツールです。

CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。

クリエイティブ・コモンズのコンテンツを使用して動画を作成すると、動画プレーヤーの 下に元の動画のタイトルが自動的に表示されます。著作権は所有者が保持し、他のユーザーはライセンスの条件に基づいてその作品を再利用することになりま す。

“Some Rights Reserved”

人の手によって生み出されたすべての作品は、著作権で守られているものと、そうでないものの、ふたつにわけることができます。

著作権の中間領域を定義するCCライセンスは、“Some rights reserved”、つまり限定された権利のみを主張するライセンス形式を提案しています。CCの目指すのは、 既存の著作権制度のなかで作り手の権利がまもられながら、受け手にも作品を自由に扱う領域を確保することです。

CCライセンスの種類

作品の利用(再配布やリミックス作品の公開、実演等)のための条件は4種類あります。

これらの条件を組み合わせてできる基本的なCCライセンスは、ぜんぶで6種類。権利者は、自分の作品がどのよう に流通してほしいかを考え、必要に応じて適切な組み合わせのライセンスを選ぶことができます。

表示

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示することを主な条件とし、改変はもちろん、営利目的での二次利用も許可される最も自由度の高いCCライセンス。

表示—継承

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、改変した場合には元の作品と同じCCライセンス(このライセンス)で公開することを主な条件に、営利目的での二次利用も許可されるCCライセンス。

表示—改変禁止

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ元の作品を改変しないことを主な条件に、営利目的での利用(転載、コピー、共有)が行えるCCライセンス。

表示—非営利

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的であることを主な条件に、改変したり再配布したりすることができるCCライセンス。

表示—非営利—継承

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的に限り、また改変を行った際には元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開することを主な条件に、改変したり再配布したりすることができるCCライセンス。

表示—非営利—改変禁止

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的であり、そして元の作品を改変しないことを主な条件に、作品を自由に再配布できるCCライセンス。

 

CCライセンスのしくみ


CCライセンスは三つの要素(コモンズ証、ライセンス、メタデータ)によってその効果を保証しようとしています。

第一に、法律に詳しくない人でもライセンスの主な内容がすぐに理解できる簡 潔な説明文が「コモンズ証」で、同じ内容を法律の専門家が読むために法的に記述した「利用許諾」(ライセンス原文)は、コモンズ証と表裏一体の関係にあり ます。コモンズ証によって、法律の専門家ではない大多数のインターネットユーザーでもライセンスの主な内容をはっきりと理解することができるようにし、ラ イセンスの誤用などを防ぐことをねらいとしています。また、その法的実効力は、クリエイティブ・コモンズ関係の法律の専門家達が各国の著作権法に照らし合 わせて記述した「利用許諾」文によってもたらされています。

そして三つめの要素が「メタデータ」です。メタデータとは、検索エンジンが利用するための、作品そのもの(コンテンツ)に付随する説明的な情報で す。作品をウェブページで公開し、さらにCCライセンスを付ける場合、人間の言語による記述(例「私はこの作品をCCライセンスで公開しています」等)だ けではなく、検索エンジンやプログラムが理解する方式のコードも付与することによって、他のユーザーに作品が正しく検索されやすくなります。

以上の3つの要素によってCCライセンスは「一般的なインターネット・ユーザー」、「法律の専門家」、そして「検索エンジン」が正しく理解できる仕組みをめざしています。

OECD8原則


1980年9月23日にOECD(経済協力開発機構)の理事会で採択された「プライバシー保護と個人データの国際流通についての勧告」の中に記述されている8つの原則。日本を含めた各国の個人情報保護の考え方の基礎になっている。

国際的な情報化が進む中で、各国の法制度に差があると各国間の情報の流通に支障をきたしてしまう。また、IT社会の進展に伴い、個人情報やプライバシーの保護に関する社会的要請が強まり、それに対して新たな法整備をする際の国際的なガイドラインとしてこれらの原則が提唱された。具体的な内容は以下の通り。

(1) 収集制限の原則 : 個人データは、適法・公正な手段により、かつ情報主体に通知または同意を得て収集されるべきである。

*個人情報保護法上の適正な取得に反映されている。

(2) データ内容の原則 : 収集するデータは、利用目的に沿ったもので、かつ、正確・完全・最新であるべきである。

*内容の正確性の確保に反映されているが、苦情の処理に反映されているとはいえない。

(3) 目的明確化の原則 : 収集目的を明確にし、データ利用は収集目的に合致するべきである。

(4) 利用制限の原則 : データ主体の同意がある場合や法律の規定による場合を除いて、収集したデータを目的以外に利用してはならない。

*個人情報保護法上の利用目的による制限に反映されている。

(5) 安全保護の原則 : 合理的安全保護措置により、紛失・破壊・使用・修正・開示等から保護すべきである。

(6) 公開の原則 : データ収集の実施方針等を公開し、データの存在、利用目的、管理者等を明示するべきである。

(7) 個人参加の原則 : データ主体に対して、自己に関するデータの所在及び内容を確認させ、または異議申立を保証するべきである。

*個人情報保護法上の開示等の求めに反映されており、正確性の確保には反映されていない。


(8) 責任の原則 : データの管理者は諸原則実施の責任を有する。

アメリカでは、1996年に設立された民間の非営利団体「TRUSTe」が、翌1997年からOECDガイドラインを満たしていると認定され、個人情報保護に対し信頼に足るべき欧米のWebサイトに、認証シールを付与する事業を始めた。

日本では、2001年6月から、NPO法人日本技術者連盟が日本での本部となって、インターネット上のWebサイト所有団体を対象に、「TRUSTeシール」認証授与事業を始めた。


2013年9月2日月曜日

フェアユースとは

米国では、著作権を制限する「フェア ユース」という概念がある。この概念に基づき、著作権で保護されたコンテンツを批評、コメント、ニュース報道、教育、研究、調査で特定の方法により利 用する場合はフェアユースであると認められる場合がある。米国の判事は、以下に参考として示す 4 つの要素に従い、フェアユースであるという主張が有効かどうか判断する。他のいくつかの国にも、米国の「フェアユース」とは異なる条件で適用される 「フェア ディーリング」という同様の概念がある。


フェアユースの 4 つの要素:

1. 利用の目的と特性(その利用が、商用か非営利の教育目的かなど)

裁判所では通常、その利用が「変形的」であるかどうか、つまり、新しい表現や意味がオリジナルのコンテンツに追加されているかどうか、あるいはオリジナルのコンテンツのコピーにすぎないかどうかという点を重視する。

2. 著作物の性質

主に事実に基づく作品のコンテンツを利用する方が、完全なフィクション作品を利用する場合に比べフェアユースであると認められる可能性が高くなる。

3. 著作権で保護されているその作品全体に対する利用部分の比率

オリジナルの作品から引用するコンテンツがごく一部である場合は、コンテンツの大半を引用する場合に比べフェアユースであると認められる可能性が高くなる。ただし、ごく一部の利用であっても、それが作品の「本質的」な部分である場合は、時としてフェアユースではないと判断されることもある。

4. 著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する利用の影響

著作権所有者がオリジナルの作品から受けることができる利益を損ねるような利用は、フェアユースであると認められる可能性は低くなる。この要素に基づき、裁判所がパロディを例外としたケースもいくつかある。


日本の状況

日本の著作権法においても、著作権の効力が及ばない著作物の利用行為が規定されている(著作権法30条~47条の3)。しかし著作権法における著作権の制限規定は、著作権の効力が及ばない著作物の利用態様を個別具体的に列挙したものである点でそれを一般的抽象的に規定したアメリカ合衆国著作権法におけるフェアユース規定(17 U.S.C. § 107)とは異なる。

日本において著作権法30条 - 47条の3によって定められた範囲を超えて著作物を利用した場合に、フェアユースの抗弁によって著作権侵害を否定できるかがしばしば論点となる。著作権法1条(法目的)に見られる「文化的所産の公正な利用に留意」の文言に基づいてフェアユースの抗弁を認める説も存在するが、現在のところそれを認めた裁判例は存在しない。

もっとも権利濫用(民法1条3項)、公序良俗違反(民法90条)、 黙示許諾といった民法上の法理に基づく抗弁によって(著作権の行使を免れるという点で)フェアユースに類似する法的効果が認められる余地はある。ただし権利濫用は基本的に著作権者側の行為態様を、公序良俗違反は国家秩序や社会道徳をそれぞれ問題とするものであるのに対し、フェアユースの場合は著作物の利用者側の事情を問題とするものであるため必ずしも重なり合うものでもない。また黙示の許諾がある場合は著作権者による権利処分があったと認定できる場合であ り、フェアユースの法理と適用場面が重なるわけではない。

日本では、現在までのところ、フェアユース規定は法律化されていない。









2013年9月1日日曜日

著作権とは

どのような種類の作品が著作権の対象となるか?

物理的媒体に記録されたオリジナルの作品を作成すると、作成者は自動的にその作品の著作権を所有することになります。著作権の所有者には、その作品を特定 の方法で使用する独占権が与えられます。次のように、さまざまな種類の作品が著作権保護の対象となります。
  1. 音声と映像の作品(テレビ番組、映画、オンライン動画など)
  2. サウンド レコーディング、楽曲
  3. 著作物(講義集、記事、書籍、楽曲など)
  4. 視覚的作品(絵画、ポスター、広告など)
  5. ビデオ ゲーム、コンピュータ ソフトウェア
  6. 演劇作品(劇、ミュージカルなど)
作品になっていないアイデアや思想、データや時事報道などは著作権の対象ではありません。著作権保護の対象となるには、創作性があり、かつ有形媒体に記録されている必要があります。名称やタイトルそのものは、著作権保護の対象ではないのです。

  写真や映像は事実を映しているだけともいえますが、構図、撮影対象、背景などに創作性が認められる場合は著作物となります。そのため、一般公募写真、映像などの扱いには慎重な対応が必要になってきます。

著作権を侵害せずに、著作権で保護されている作品を使用できるか?

状況によっては、著作権所有者の権利を侵害せずに、著作権で保護されている作品を使用することができます。重要なことは、以下の場合でも、動画が著作権侵害の申し立ての対象となる可能性があることです。
  1. 著作権所有者への帰属を表示した
  2. 動画の収益化を無効にした
  3. YouTube に同様の動画が掲載されているのを見たことがある
  4. iTunes、CD、DVD などで購入したコンテンツを使用した
  5. テレビ、映画館、ラジオなどから自分で録音/録画した
  6. 「著作権を侵害する意図はない」と記載した
コンテンツの作成者によっては、特定の要件を満たせば、自分の作品を再利用できるようにしていることがあります。これについては、クリエイティブ・コモンズ ライセンスを参照しましょう。

著作権と商標の違い、および特許との違いについて

著作権とは、知的財産権の 1 つの形式であり、商標とは異なります。商標は、ブランド名、銘文、ロゴなどの識別名を、他者が特定の目的で使用できないように保護するものです。著作権は、発明を保護する特許とも異なります。

著作権とプライバシー権の違いについて

動画、画像、サウンド レコーディングに自分自身が録画/録音されているからといって、そのコンテンツの著作権を持つことにはなりません。たとえば、友だちがあなたとの会話を録画した場合、録画した人がその動画の著作権を所有します。2 人の会話の言葉は、事前に決められていた場合を除いて、動画から独立して著作権の対象にはならないのです。