英米法において"agreement" (合意)が"contract" (契約) として効力を有するために
は,"consideration" が必要である。
売買における品物の引渡しと金銭の支払のよう
に,一方の当事者が行うことに対応して他方の当事者が行うことを指し, 「約因」と訳される。
とすると,あらゆる契約を締結する場合に、"consideration" の有無を確認すべきだという
ことになる。建前上はそうだが以下の理由により特別な場合以外には気にしないでよい。
第一に,“consideration" はかなり形式化されてきており,等価で、なくても何らかのギ
ブアンドテイクがあればよいということになっている。
第二に,およそ独立した企業同士の取引で, 対価がないということはほとんどありえない。
英米法系以外の法律(日本法も)が準拠法になる場合には、”consideration" は要求さ
れない。