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2013年8月2日金曜日

ネットと著作権②

コピペはどこまでOKか?
  • リンクのみの引用は原則として著作権侵害にはならない。
  • 見出しも著作物である可能性はあるが、実際の多くの見出しは短く、著作物の要件を満たさない場合がある。
  • ニュースサイトの見出し全部を複製するのは、不法行為として損害賠償請求される可能性がある。
  • Yomiuri On-Line事件: 自己のホームページ(以下「YOL」)上の記事見出しを不正に使用した、として  読売新聞社が有限会社デジタルアライアンス社を相手取って起こした訴訟。   結論としては、著作権侵害を否定した上で、不法行為の成立を認め、  被告側に損害賠償の支払いを命じた。
  • 記事の全文引用は、引用した人の意見が無ければ複製権の侵害にあたる。
  • ビジネス書要約事件(コメットハンター事件): ビジネス書などの要約を有料で提供するサービスを行っていた業者が要約された本の著作権者から訴えられた事件。
  • 官庁の発表する報告や資料は、出典を明記すれば原則として自由に転載できる。
  • リンク先に違法な情報が記載されている場合、リンク単独でも問題があると考えた方が無難。
  • FL マスク事件: 画像にモザイクを入れたり消したりすることが簡単にできる画像処理ソフト・FLマスクを販売するとともに、FLマスクによりモザイクを入れ た猥褻画像を提供しているホームページへのリンクをしていたというケースを、猥褻図画公然陳列罪の幇助犯として摘発した。
  • リンクとともに違法な行為を助長するような意見を書き込めば、問題になる可能性がある。
  • ディープリングは同一性保持権の侵害という考え方もできる。
  • 未成年の「犯罪者」に関する情報を掲示板などに書き込むものは少年法の精神に反している。
  • 少年法
 (記事等の掲載の禁止)
第61条 家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であること推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。

  • 著作権の侵害に、企業サイトと個人サイトの区別はない。
  • 個人サイトの運営者が私人の場合、事実であっても名誉を毀損すれば罪になる(刑法230条、231条、233条)。
  • 新聞に掲載されている個々の宝くじの当選番号や「3-1」などの試合の得点、レース結果は単なる事実であり、著作権では保護されない。
  • 個々の結果は事実であっても、まるごと無断転載すれば複製権の侵害に当たる可能性がある。
  • 試合の得点、レース結果の予想は意見である。そのまま転載すれば、著作権侵害又は不法行為による損害賠償を請求される可能性がある。
  •  脱ゴーマニズム宣言事件:小林よしのり著『ゴーマニズム宣言』を批判した書籍『脱ゴーマニズム宣言』(上杉聰著)の発刊を巡って争われた事件。漫画において引用が認められる範囲について明確な基準を引き出した。 
  • パロディは主に公正な引用かどうかが議論される。
  • 歌詞の行き過ぎたパロディは翻案権の侵害になる。元歌の品位を落とすかどうかにかかわらず、人格権(同一性保持権)の侵害の可能性もある。
  • パロディ曲を人格権の侵害で差し止めや損害賠償の請求ができるのは、人格権を持つ作詞家や実演家のみ。
  • キャラクターを模倣した書き込みは、よく似ていれば複製権の侵害、あまり似ていなくても翻案権や同一性保持権の侵害に当たる。
  • 政治家などの公人の人格権は一般人よりも小さく評価される。似顔絵は本人が許容する範囲であれば問題にならない。
  • スポーツ選手などの有名人の場合、商業的価値を損なうような似顔絵はパブリシティ権の侵害に当たる可能性がある。また、人格権の侵害や侮辱罪に当たる可能性もある。
  • 精巧なアスキーアート(AA)は写真と同じ扱いになり、複製権の侵害にあたる。
  • 一般に、アニメの決め台詞のような短い文章は著作権で保護されない。
  • 決め台詞とアスキーアート(AA)が同時に書き込まれている場合は著作権の侵害に当たるかもしれない。
  • いわゆるネタバレは翻案権や公表権の侵害に当たる可能性がある。ファイル共有ソフトで著作物がダウンロードできる情報を掲示板に書くと、書き方によっては問題になる。