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2014年6月18日水曜日

米国法人に対する仮処分

Q 米国法人に対する仮処分の国際送達は、どのようになされるのでしょうか?

 仮処分であっても、送達は裁判所から当事者に対してなされます(民事保全法17条)。
 送達に関しては、民事訴訟法98条以下に定められています。
 米国法人への送達については、領事送達又は中央当局送達のいずれかによることになります。

(1) 領事送達
嘱託書・判決書等の英訳がされた後、東京地裁所長→最高裁民事局長→外務省→アメリカに駐在する日本の大使、総領事又は領事→米国法人という経路で送付されます。

(2) 中央当局送達
要請書・判決書等の英訳がされた後、東京地裁所長→最高裁民事局長→アメリカ司法省→民間会社(実施当局)→米国法人という経路で送付されます。

 債権者代理人から決定の交付を事実上受けた場合であっても、「適式な送達」があったとは認められず、送達の効力も発生しません。
 
 仮処分の執行は、送達がされたときに効力が生じますので(民事保全法52条、民事執行法167条)、送達がない段階では間接強制の申立てを受けるリスクもありません。