アメリカのアップルと韓国のサムスン電子による一連の裁判で、知的財産高等裁判所はスマートフォンなどの通信技術の特許についてサムスンの主張を一部で認め、ライセンス料に相当する990万円の賠償を求めることができるという判決を言い渡しました。
スマートフォンやタブレット端末の技術を巡り、アメリカのアップルと韓国のサムスン電子による裁判は世界各地で続いています。
このうち今回の訴訟の対象は、アップル製のスマホ「iPhone 4」などに使われているサムスンの通信技術です。
通信技術の特許に関する裁判では1審の東京地方裁判所が去年、アップルの勝訴としたため、サムスンが控訴していました。
控訴審判決で、知的財産高裁(飯村敏明裁判長)は、「サムスンによる損害賠償請求は、ライセンス料相当額を超える部分では認められない」との判断を示しました。
損害賠償請求権をすべて認めなかった一審・東京地裁判決を変更し、ライセンス料相当額として995万円だけの損害賠償請求権を認め、サムスンはアップル側にそれ以上は請求できないとしました。
一方でアップルの一部機種に対する販売禁止などの仮処分は、「権利濫用になる」として、請求を却下した一審判決を維持しました。
この裁判で知財高裁は「審理の参考にするため」として、他社に特許を使わせる際の条件などについて一般の意見を募集しました。日本の裁判所では初めて一般から意見を募集するという取り組みです。弁護士や研究者などから合わせて58通の意見が寄せられました。判決では「貴重で有益な資料」になったと述べました。
2014年5月16日金曜日
2013年11月26日火曜日
特許権侵害訴訟
特許権侵害訴訟は原告側も被告側も通常業務以外にかなりのエネルギーが必要になります。 近年では、中小企業においても訴訟事件が増えてきました。
侵害を発見した場合は、確認、警告、差止・損害賠償という流れで対応します。侵害であると警告された場合は、「特許原簿で確認」→「特許で無効理由があるかを確認」→「特許無効審判の請求」又は「実施の中止」という流れで対応します。
ここでは,特許紛争を起こす側が留意すべき点について, 検討してます。
侵害を発見した場合は、確認、警告、差止・損害賠償という流れで対応します。侵害であると警告された場合は、「特許原簿で確認」→「特許で無効理由があるかを確認」→「特許無効審判の請求」又は「実施の中止」という流れで対応します。
ここでは,特許紛争を起こす側が留意すべき点について, 検討してます。
- 警告状を出すべきか
- 特許侵害といえるか?
- 特許権の存在の確認
- クレームの確認
- 対象製品・対象行為の特定
- クレームを侵害しているか
- 勝てる見込み
- 文言該当性
- 立証可能性
- 有効性
- 特許発明が新規性・進歩性を有しない場合等には,特許無効審判が請求されると,特許が無効にされます(特123条)。
- 訴訟の負担
- 侵害者特許による反撃可能性
- 費用
- 時間
- 不安定な法的状態
- 評判の低下
- 訴訟でできること
- 特許が侵害されている場合,差止請求(特100条)と損害賠償請求(民709条)が主な手段となります。
- 仮処分とは?
- 仮処分は,簡易・迅速な手続で,差止めを実現して相手方の競業行為を実質的に規制することができる手続ですので,訴訟戦略上重要です。
- 仮処分の要件は,①被保全権利の存在、②保全の必要性 です。①については,本案の「1特許権が侵害されていること又は侵害されるおそれがあること」と同じです。 ②については,債権者(ここでは,特許権者)に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるため差止めを必要とすると認められるかということです(民事保全法23条2項)。 具体的には,仮処分命令が発令されないことによる債権者の不利益と,仮処分命令が発令されることによる債務者(ここでは,侵害者)の不利益とが比較衡量して判断されます。 損害の立証が困難である場合(ex.債権者が値下げを余儀なくされる場合),債権者の実施品が主力製品である場合,債務者が債権者の損害を賠償するに十分な資力を有しない場合等の事情は,保全の必要性があると判断される方向に働きます。
- 差止めの仮処分のメリットは,簡易・迅速な手続で,本案とほとんど同じ内容の給付を実現することができることです。 そのため,「満足的仮処分(断行の仮処分)」とも呼ばれます。
- 仮処分のデメリットは,ほとんどのケースで,担保として保証金が必要となることです。 また,別途本案訴訟を提起するのが原則であり,提起しない場合には仮処分命令が取り消されるときもあります(民事保全法37条3項)。
- さらに,無効の蓋然性がある,均等論の主張を含む等,複雑な論点が予想される場合には,仮処分の迅速性の要請に適さないとして,取下げが勧告されることも少なくありません。
- 仮処分は,市場に極めて速いスピードで侵害品が氾濫し始めた場合に起こすのが伝統的な考え方ですが,最近では,差止めという強力な効果を早期に得ることができる方法であるため,仮処分提起により相手方を萎縮させて,早期の和解により実施料を獲得する手段としても用いることがあります。
- 訴訟を避けて解決したい場合
- 訴訟は,費用が高く時間がかかりがちであるというデメリットがあります。 また,訴訟は,公開の手続ですから(憲82条),紛争の当事者であることを公にしたくない場合(業界大手同士の紛争(業界に混乱を巻き起こす),公益的な主体(大学,金融機関等)の紛争)にも選択しづらい手段です。 このような場合,安価,迅速で非公開の手続として,調停や特許庁の判定があります。
- 輸入品の場合
- 侵害品が外国製品であり,個人輸入や小さな輸入代理店により,少しずつ,無数の輸入がなされるような場合には,一度日本国内に輸入されてしまうと,個々に侵害を問うことが事実上不可能になってしまいます。 このような場合には,関税定率法による輸入差止申立て(いわゆる「水際取締り」,「水際措置」)により,侵害品の輸入を差し止めることができます。 水際取締りがうまくできれば,国内での侵害排除措置を行う必要がなくなるので,有効な手段と言えます。 具体的には,特許権者は,自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合に,税関長に対し,当該貨物の輸入を差止め,認定手続を執るべきことを申し立てることができます(関税法69条の13)。
2013年11月25日月曜日
特許権の要点2
特許権の活用
知的財産の活用として,ライセンスがあります。 技術の複雑化・高度化,特許の錯綜により,現在の特許ライセンスは,単純な契約では収まりきらないことも多くなりました。 ライセンス収入の極大化,収益の極大化を目指して,複雑なスキームを組むことも珍しくありません。 また,訴訟やライセンス以外にも,知的財産の活用の方法がいくつも考えられます。
ライセンス契約とは、自社の持つ特許や実用新案,意匠,商標,著作権等の知的財産を他社に使用させる契約のことです。 自社の知的財産をライセンスする側は「ライセンサー」と呼ばれ、ライセンスを受ける側は「ライセンシー」と呼ばれます。 このライセンサーとライセンシー間で、「ライセンスの対象」「利用の態様」「独占か非独占化」「期間」「金額」などの条件を定めなければなりません。
独占か非独占か
改良発明の取り扱い
ライセンス収入を得ることは「利益率の向上」「競合他社への競争力の維持」「開発リスクのヘッジ」など企業にとって大きなメリットとなります。
知的財産の活用として,ライセンスがあります。 技術の複雑化・高度化,特許の錯綜により,現在の特許ライセンスは,単純な契約では収まりきらないことも多くなりました。 ライセンス収入の極大化,収益の極大化を目指して,複雑なスキームを組むことも珍しくありません。 また,訴訟やライセンス以外にも,知的財産の活用の方法がいくつも考えられます。
ライセンス契約とは、自社の持つ特許や実用新案,意匠,商標,著作権等の知的財産を他社に使用させる契約のことです。 自社の知的財産をライセンスする側は「ライセンサー」と呼ばれ、ライセンスを受ける側は「ライセンシー」と呼ばれます。 このライセンサーとライセンシー間で、「ライセンスの対象」「利用の態様」「独占か非独占化」「期間」「金額」などの条件を定めなければなりません。
独占か非独占か
改良発明の取り扱い
ライセンス収入を得ることは「利益率の向上」「競合他社への競争力の維持」「開発リスクのヘッジ」など企業にとって大きなメリットとなります。
2013年11月24日日曜日
特許法の要点1
- 特許法の目的: 発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与すること(1条)
- 「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいいます(2条1項)。
- 金融保険制度・課税方法などの人為的な取り決めや計算方法・暗号など自然法則の利用がないものは保護の対象とはなりません。
- 発見そのもの(例えば、ニュートンの万有引力の法則の発見)は保護の対象とはなりません。
- 創作は、高度のものである必要があり、技術水準の低い創作は保護されません。
- 特許要件
- 産業上利用できる、新規性、新規性喪失の例外、進歩性、先顧主義
- 特許出願の手続
- 願書
- 明細書
- 特許請求の範囲
- 図面
- 要約書
- 当業者
- 国内優先権
- 国内優先権を主張するには、先の出願から1年以内に後の出願をしなければならない。
出願するには、法令で規定された所定の書類を特許庁に提出する必要があります。 なお、我が国では、同じ発明であっても先に出願された発明のみが特許となる先願主義を採用していますので、発明をしたら早急に出願すべきでしょう。また、特許出願以前に発明を公表することはできるだけ避けることが賢明です。
(2)方式審査
特許庁に提出された出願書類は、所定の書式通りであるかどうかのチェックを受けます。 書類が整っていない、必要項目が記載されていない等の場合は、補正命令が発せられます。
(3)出願公開
出願された日から1年6月経過すると、発明の内容が公開公報によって公開されます。
(4)審査請求
特許出願されたものは、全てが審査されるわけではなく、出願人又は第三者が審査請求料を払って出願審査の請求があったものだけが審査されます。 審査請求は、出願から3年以内(注)であれば、いつでも誰でもすることができます。
(5)みなし取り下げ(審査請求期間内に審査請求なし)
出願から3年以内に審査請求のない出願は、取り下げられたものとみなされます。以後権利化することはできませんのでご注意下さい。
(6)実体審査
審査は、特許庁の審査官によって行われます。 審査官は、出願された発明が特許されるべきものか否かを判断します。 審査においては、まず、法律で規定された要件を満たしているか否か、すなわち、拒絶理由がないかどうかを調べます。
主な要件としては以下のものがあります。
1 自然法則を利用した技術思想か
2 産業上利用できるか
3 出願前にその技術思想はなかったか
4 いわゆる当業者(その技術分野のことを理解している人)が容易に発明をすることができたものでないか
5 他人よりも早く出願したか
6 公序良俗に違反していないか
7 明細書の記載は規程どおりか
(7)拒絶理由通知
審査官が拒絶の理由を発見した場合は、それを出願人に知らせるために拒絶理由通知書を送付します。
(8)意見書・補正書
出願人は、拒絶理由通知書により示された従来技術とはこのような点で相違するという反論を意見書として提出したり、特許請求の範囲や明細書等を補正することにより拒絶理由が解消される場合には、その旨の補正書を提出する機会が与えられます。
(9)特許査定
審査の結果、審査官が拒絶理由を発見しなかった場合は、特許すべき旨の査定を行います。 また、意見書や補正書によって拒絶理由が解消した場合にも特許査定となります。
(10)拒絶査定
意見書や補正書をみても拒絶理由が解消されておらず、やはり特許できないと審査官が判断したときは、拒絶をすべき旨の査定を行います。
(11)拒絶査定不服審判請求
拒絶査定に不服があるときは、拒絶査定不服審判を請求することができます。
(12)審理
拒絶査定不服審判の審理は、三人または五人の審判官の合議体によって行われます。 審判官の合議体による決定を審決といいます。 審理の結果、拒絶理由が解消したと判断される場合には特許審決を行い、拒絶理由が解消せず特許できないと判断される場合には、拒絶審決を行います。
(13)設定登録(特許料納付)
特許査定がされた出願については、出願人が特許料を納めれば、特許原簿に登録され特許権が発生します。 ここではじめて、特許第何号という番号がつくことになります。 特許権の設定登録後、特許証書が出願人に送られます。
(14)特許公報発行
設定登録され発生した特許権は、その内容が特許公報に掲載されます。
(15)無効審判請求
特許権が設定登録された後でも無効理由がある場合、何人も無効審判を請求することができます。
(16)審理
無効審判請求の審理は、三人または五人の審判官の合議体によって行われます。 審理の結果、特許に無効理由がないと判断された場合は、特許の維持の審決が行われます。 一方、特許に無効理由があると判断された場合は、特許無効の審決が行われます。
(17)知的財産高等裁判所
拒絶査定不服審判の拒絶審決に対して不服がある出願人、特許無効審判の審決に対して不服がある当事者は、知的財産高等裁判所に出訴することができます。
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